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暑さ指数(WBGT)について

暑さ指数とは?暑さ指数(WBGT)の概要と指針

暑さ指数はなぜ有効なのか?最高気温との違いについて

暑さ指数の詳しい説明暑さ指数(WBGT)の詳細

当サイトで提供する暑さ指数について算出方法と留意事項

生活の場の暑さ指数算出方法と留意事項

暑さ指数について学ぼうやさしい説明

生活の場における暑さ指数(参考値)について

生活の場における暑さ指数(参考値)について

気象庁は、観測データの品質を向上させるため、露場と呼ばれる芝生上で、太陽などの放射熱を遮り、秒速5m程度の強制通風条件のもとで気温・湿度を観測しています。それに対して、日射や建物からの輻射、地面からの反射などがある生活の場は、より厳しい暑熱環境となっています。
 そこで、環境省では、アスファルトの駐車場、交差点、バス停、住宅地、グラウンドなどの生活の場において、独自に観測、研究を行い、この観測結果に基づき算出した「生活の場における暑さ指数」(参考値)を、平成25年度より当サイトにて提供しています。

生活の場の観測は、東京管区気象台のある大手町に近い千代田区内と、住宅地については、都心周辺の練馬区で行い、気象台における観測値と比較しました。また、より地面に近い「子供の高さ」の暑熱環境を観測するため、50cmの高さでも観測を行い、通常観測の1.5mの高さの観測値と比較しました。

利用上の注意

「生活の場における暑さ指数」は、「暑さ指数」の実況値、予測値に、独自の観測で得られた差を加えて補正した数値ですが、これらはあくまで生活の場の暑熱環境の目安に過ぎません。
 それぞれの生活の場では、同じような環境であっても周囲の建物の配置や日射や風の状況により、さらに厳しい条件となることも予想されます。実際の生活の場では、可能な限り暑さ指数(WBGT)を測定し、熱中症に備えること、また暑さ指数(WBGT)を測定できない場合でも、気温などを測定し、暑さに対し常に注意を払う必要があることをご理解いただいた上でご参考にしてください。

解説

 

[通常の暑さ指数]

風通しの良い芝生上での暑さ指数 

熱中症予防情報サイトで提供している実況値や予測値は、気象庁の観測データを用いており、気象庁の観測は、周囲に建物などのない露場と呼ばれる芝生上で、太陽などの放射熱を遮り、秒速5m程度の強制通風条件のもとで観測しています。
通常の暑さ指数は、このように比較的良好な条件(暑さ指数が高くなりにくい場所)で観測又は予測される暑さ指数です。

 

[駐車場]

日陰のないアスファルト舗装の大規模な駐車場を想定

ツアーバスなどの出発点となる大規模な駐車場で、周囲の建物からは離れ、ほぼ1日良く日が当たり、風はやや弱い場所で観測しました。アスファルト舗装の表面は、朝から昼頃の時間帯は、通常の暑さ指数とほぼ同程度です。しかし、アスファルト舗装が温まる午後からは通常の暑さ指数よりも高くなり、夜遅くまで暑さ指数が高い状態が続きます。
日中のアスファルト舗装面はかなり高温となるため、地表面からの輻射熱が大きくなり、また、日射などを遮るものが少ないので、子供や作業者の体感温度はさらに高くなります。

 

[交差点]

片側3車線道路のような大きな交差点を想定

片側3車線道路のような幅の大きい道路が交差する交差点で、建物の陰になることが少なく、比較的風の通りが良い場所で観測しました。このような大きな交差点では、風通しがよいので日中は通常の暑さ指数とほぼ同程度ですが、夜間には、アスファルト舗装が熱を持つ影響で、通常の暑さ指数よりも高くなります。

 

[バス停]

小さな屋根のあるバス停を想定

長距離バスのバス停で、屋根があり、風通しが良い場所で観測しました。
屋根があるので日中は日射を遮りますが、屋根が高温となるため、暑さ指数はそれほど低くなりません。夜間は、屋根が熱を持つことと、放射冷却を妨げるため、ほかの地点より高くなる時間もあります。

 

[住宅地]

住宅が密集した、風通しの悪い場所を想定

東京23区北西部の住宅地にある地表面が土の小規模な駐車場で、周囲に建物が多く、風通しがあまり良くない場所で観測しました。
この住宅地は、日中の気温が上がりやすく、暑さ指数は通常の暑さ指数よりも大きくなる傾向にあります。このように暑さの環境は、場所や周囲の建物などによって大きく変わるので、実際の観測が重要です。密集した住宅地では、一般に風通しが弱く、夜半頃までなかなか気温が下がりません。住宅地では、未明から早朝の涼しい時間に、部屋の空気を入れ替え、少しでも室温を下げることが大切となります。

 

[子供・車いす]

地表面に近い高さの場所、ここでは高さ50cmを想定

日中の強い日射により地表面はかなり高温になります。身長が低く地表面からの影響を受けやすい子供、車いすの方を想定して、高さ50cmでの暑さ指数を観測、比較しました。
子供、車いすの方を想定した50cmの高さでは大人を想定した高さ150cmに比べ、暑さ指数は平均して0.1~0.3℃高くなります。風が弱く、日射が強いときには2℃程度高くなった事例もありました。また、子供・車いすを想定した50cmの高さでは大人の高さの150cmに比べ、地表面の影響を受けやすいため、体感温度はさらに高くなります。地表面からの反射光の遮光や熱がこもりにくい服装など、大人以上に子供、車いすの方の対策を心がけてあげることが重要です。

 

[温室]

植物などを育てている温室(時々換気がされる)を想定

近年、温室などでの作業中の熱中症の発生が多くなっていることから、植物園の大型温室内で暑さ指数を観測しました。
温室内の暑さ指数は、日の出とともに急に上昇し、通常の暑さ指数よりも1~2時間早く危険な状態になります。また、日中は2℃程度暑さ指数が高い環境にあり、日没後も高い状態が続きます。温室内では早朝でも屋外での作業に比べ暑くなりやすいことに注意し、温度が上昇してきたら早めに作業を切り上げることが重要です。
なお、この温室は遮光ネットで日射を弱めてあり、換気も行っています。そのような対策を講じていない温室では、さらに厳しい暑熱環境になることにご注意ください。

 

[体育館]

エアコンなどの空調設備がない学校の体育館を想定

鉄骨造の体育館の2階踊り場で暑さ指数を観測しました。
暑さ指数をこの体育館内と通常の暑さ指数で比較すると、午後1時頃から体育館内の方が高くなり、午後5~6時頃にその差が最大となりました。また、日没後も午後10時頃まで体育館内の暑さ指数が高くなりました。この体育館では時々換気を行っていますが、体育館内では通常は風がないこと、建物が鉄骨や金属屋根などで造られていて熱をためやすい構造にあることから、その利用にあたっては、夕方であっても、十分な換気を行うこと、可能であれば冷房や扇風機を使い、体育館内を冷やすことが重要です。

 
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